今年こそ、木版画の年賀状を作りましょう
お正月気分にぴったりなのは、やはり版画の年賀状ですね。元旦そうそうに頂く年賀状が木版画なら、年の初めから何か得したような嬉しい気分にさせててくれます。
そんな訳で、今年こそ版画の年賀状を作ってみましょう。 ここでは、多色刷りの年賀状の作り方を説明します。 初めての方にはちょっと難しいかも知れませんが、何事もチャレンジが大切ですね。
第一段階 デザインを決めましょう
図案は、干支の図柄でも、そうでなくても、自分の気に入った物なら何でも良いのです。
絵を描く事が苦手な方なら、本でも何でも、良いなと思ったデザインをトレーシングペーパーに引き写して使う事もできます。
但し、著作権の有る物は駄目ですが。 大きさはコピー機の拡大縮小を利用すれば、いくらでも調整がききます。
#1
#1は、今回の私のデザインです。 本で見つけた、昭和の初め頃のものと思われるブリキの玩具。 可愛らしく、孫によく似ているのが気に入って決めました。
版木にデザインを描いた紙を置き、カーボン紙を挟み、図柄を版木に引き写します。
この時特に注意する事は
1. デザインは葉書の大きさより一回りは小さい方がよい。その方が摺り易いので。
2. 二ヶ所の見当 (写真の→のところ)も忘れずに引き写す。
3. カーボン紙は色のある面を版木に当てる。 うっかり逆にすると、引き写しが終わったと思ってめくって見ても、何も写ってなくてがっかりする事に。
4. 図案は裏返して置く事。 特に文字があるものは。 #1の写真では裏返しにしていませんが、文字は初めから鏡文字で書いてあります。
第二段階 図案を版木に写しましょう
→
→
#2
引き写しが終わりました。 今回は木版画らしい彫あとを残すつもりなので、線はあくまでも目安程度でよいので、多少ずれたり歪んでも大丈夫。
第三段階 さあ、いよいよ彫り始めましょう
#3
2007 Oct 14th
多色刷り木版画の年賀状の作りかた。
その前に、必要な材料や道具は揃っていますか? もし足りない物がある時は、ウッドライク松村さんなら、ほぼ何でも電話一本で送ってくれます。 http://www.woodlike.co.jp
#3 のアートナイフはオルファXB10、版木刀の代わりに使っています。よく切れ、研がなくても良いのが便利ですが、折れやすいので慣れるまでに時間がかかります。
隣の図鑑は版木との高さを合わせる為に使います。 この上に肘を乗せ、刀を持つ右手の手首を安定させるのです。
#4
#4
白い紙は、彫っている間に手と擦れてカーボンの線が薄くなるのを防ぐため。
線の周りを彫り終えたら、一度水を含ませ、版木の凹みを戻します。
#5
この先は、彫あとを確認しながら、フリーに刀を入れていく事にします。 その為、彫りの感じを見やすくする為に黒のインクを版木に乗せます。 写真#5の上のチューブは、油性のインクを早く乾かすためにインクに混ぜるドライヤー。
#6
#7
乗せたばかり
#8
彫り始めました
#9
作業台にセットされた版木の様子。 使う彫刻等は三角刀や断面が半円形の駒透き。
#10
図柄の周りを少し深くさらいます。また、見当も彫り込みます。この深さは1ミリもあれば十分です
#11
作業がし易いように、作業台を少し傾けています。 恐れ多くも棟方志功の画集を挟んで。
#12
墨版が彫りあがりました。 初めの下絵とは表現が随分変わって、版画らしくなっています。
色版の準備と彫まで、転写のやり方も。
続きます。
木版画の年賀状コレクション・干支の図案及びその他の図案はホームページ第一で御覧になれます。
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一日で出来る単色の木版画の作り方
様々なデザインに応用できます。初級者レベル。
干支の虎の図案
「簡単な年賀状」で御覧下さい
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岡本 流生
多色木版画の作り方をもっと詳しく知りたい方は是非御覧下さい。 初恋35番はお勧めです。
(目次)
虎や龍など干支のデザイン、その他、花や風景などの図案の物など、版画の年賀状作りの参考になる素材がたくさん。